ホビー大賞

第31回ホビー大賞

――――――<講評>――――――――――――――――――――――――――

わが国では昨年1月コロナが初めてクルーズ船から発見されました。一時は終息に向かうかと思われましたが期待とは裏腹に一都三県では3月21日まで緊急事態宣言となりました。三密を避ける、テレワークが推奨され巣ごもりという事態に多くの人が置かれました。家に居る時間が増える、外出にはマスクが必須ということからマスクを始め家の中、身の回りを手作りで楽しむ方向に向かいました。例年ならグループでの作品、学校や工作をする教室の作品などがかなり応募してくるのですが、人が集まる作品作りは三密になるのでそのような応募はほとんどなく替わって家庭内で作品作りをし家の中で楽しむ作品が多く出品されました。そういう中で文部科学大臣賞は木村さんの点字カード・ボードが選ばれました。巣ごもりで公園に遊びに行けない子供と段ボールバスで遊ぶ長谷川さんの作品がグランプリ。リアルなお店屋さん、ミニミニ遊園地も家遊び。

準グランプリは関さんのパケケラトプスこれを作るのは大変だったでしょう。ダイナミック賞のミニカリヨンも労作。MIZU-ORI、段ボールアート・トキワ荘が選ばれましたがこれに準じて多くの作品が奨励賞に選ばれました。

毎回大賞の選考趣旨をここに紹介しておりますが、先ずは自分が楽しむ、次に家族や周囲の人が楽しむ、さらに多くの人が楽しむこと。そのような視点で選考しております。

100歳100人調査というのがありますが、80%の100歳人が趣味が生きがいとのことです。健康、人とのつながり、喜びには楽しめる趣味を持ちましょう。

選考委員長 白石嘉宏(NPO法人ソフトインダストリー研究会 理事長)

文部科学大臣賞

点字カード・点字ボード 木村飛雄吾 木村俊吾

1:「点字を覚える入口となるツール」
“あいうえお”や“ABC”を覚える大きなカードのようにみんなが点字を覚えやすい大きなカードを作りました

2: 「触って楽しい 見て楽しい点字」
点字一覧を参照して誰でも簡単なメッセージが書けます。また、ランダムに取った点が文字として並んだときにカラフルなボードができあがります

3:「絵文字やフォントとしての役割」
触ったときに「ツルツル」「サラサラ」「ふかふか」した点で“情報”ではなく“気持ち”や“イメージ”を伝える点字を書くことができます

グランプリ

夢いっぱい、ダンボールバス 長谷川 裕美

今年のクリスマス前、5歳の息子がサンタクロースに「ダンボールのバスをください!」と手紙を書きました。乗り物が大好きな息子ですが、今年はコロナ禍において、公共の交通機関に乗ることは一度もできませんでした。せめて、ダンボールバスの夢は叶えてやりたい!と3日間かけて、夫婦で製作しました。久しぶりの絵の具、カッター、ガムテープ・・。夫婦にとっても楽しい時間でした。クリスマスの朝、バスを見つけた息子は今年一番の笑顔に。バスはさらに息子が手を入れ続け、進化を続けています。

準グランプリ

ペパケラトプス 関日菜乃

これは、恐竜『トリケラトプス』の骨格標本を参考し、段ボールで作った土台の上に、三角形に折った3万個弱の紙のピースを立体的に組み合わせて貼り付けて完成させた作品で、「折り紙手芸」という技法を用いています。高校の卒業にあたり、それまでの集大成を制作したもので、自分にとっては最大の努力をして完成させました。しかし、これからの人生では、それに負けないような、より一層の努力を重ねていこうと思います。

おうち時間賞

ダンボールで作ったお店屋さん 岡田麻衣子

ごっこ遊びが大好きな幼児向けに、臨場感が出るお店をつくりました。材料費0円、持ち運び便利、廃棄も無料のエコなお店です。段ボールを組み合わせ、ネットからレンガタイルをダウンロードして、子供と一緒に貼り付けました。カーテンは、自分が昔履いていたスカート生地です。難しい材料や道具を使わずに作るので、子供と作業工程から楽しめます。ドーナツ屋さんに限らず、駄菓子を並べたり、受付になったり、想像力や対話力を引き出せるおもちゃです。

ハートウォーミング賞

みにみにゆうえんち 反町夏織

手縫い糸やミシン糸などで小さなあみぐるみを作っています。遊園地に行きたくても行けない子、乗り物に乗りたくても乗れない子。そんな子どもたちに、お家の中でも楽しんでもらえるように小さな遊園地を編みました。観覧車やゴンドラは、手動ですが回して遊べます。色々な理由で遊園地に行くことが出来ない、たくさんの子どもたちに見てもらえて、ほんの少しだけでも楽しんでもらえる時間を提供することが出来たなら、とてもとても嬉しいです。

ダイナミック賞

ミニカリヨン 長谷川大史

歴史ある石畳みの街並みに時を告げる鐘のメロディが響いてくる。ユーロ圏で耳にするあの鐘の音はカリヨンと呼ばれ親しまれています。そのカリヨンを小さくしたものを作れないかトライしたのがこのミニカリヨンで、鐘の代わりにハンドベルを利用しています。制作にあたり参考になるものはほとんどなく、全体の構図をはじめパーツやメカニズムの大半はオリジナルデザインとなっています。この後も更に改良を重ね完成度を上げていきたいと思います。

ニューウェイブ賞

MIZU-ORI 鈴木優也

心を込めるというテーマのもと制作した祝儀袋である。日本の伝統的な贈るという文化に、新たな価値を持たせるために、祝儀袋の水引を立体的にデザインし、躍動感と個性を持たせた。この祝儀袋は水引にあらかじめ切れ込みが入っており、送り手が水引を立体的に折り曲げて仕上げる。あえて、送り手に最後のひと手間を加えさせることで、気持ちを込めることができ、水引という形に感謝や喜びの思いを込めて贈ることができる。鶴、亀、鯛、桜、竹の5つの種類があり、好きな物から選ぶことができる。

地域振興賞

ダンボールアート・トキワ荘 トキワ荘協働プロジェクト協議会

1982年12月、伝説のアパート「トキワ荘」が解体された。歳月とともに街の人々の記憶も薄れ、地元・南長崎に痕跡を探すことすら難しくなってきた。このような中、マンガ・アニメの原点としてのトキワ荘を活用した街づくりを掲げ、地域住民が中心となり、豊島区と協働しながらトキワ荘復元の活動を始める。その一環として、多くの人たちに今は無きトキワ荘体験と、トキワ荘復元への想いを知っていただきたく、2012年「ダンボールアート・トキワ荘」を制作しイベントでの展示を始めた。

奨励賞

医食音同源 田中宏治

ローコストオーディオによって音楽で健康になるのが、僕の趣味です。アナログ録音音源のアナログ音楽(カセットテープ&レコード)&ローコスト真空管あんぷ & すっぽんぽん牛丼(安くてうまい)すぴーかーによる、音楽療法です。健康法師 田口寛 先生 がご提唱なさった、リラックス度(脳波)が素晴らしいです。その音を聴いてよだれ&おなら&あくびが出れば、体がリラックスしている証です。オーディオに付いたほこりは最悪の場合、火事になります。お掃除くださいね!

奨励賞

筍と竹/かしだ焼き(作品群) 井上義昭

大阪府高槻市北部「樫田(かしだ)地区」の山土から陶土をつくり、雑木を燃やした灰で釉薬を調合。それらを使って筍や竹をモチーフにしたオブジェや器を創作しています。高槻市北部は、孟宗竹・真竹・淡竹等の林が多く、筍(白子筍)は地元の名産です。地元の材料(陶土と釉薬)で、地元の名産品をモチーフにして、自ら「かしだ焼き」と名付けた作品をつくる。そして展示会や陶芸体験教室などを実施する。それらの活動により、かしだ焼きの普及と共に、地元(樫田地区)を元気にする活動を推進中。

奨励賞

甲子園球場模型 石田龍生

牛乳パックを原料として、ケーキの梱包のボール紙など自宅から出る不用品を出来るだけ活用して、1000分の1のサイズで「甲子園球場模型」を手づくりしました。甲子園球場へなかなか行けない現在、自宅にいながら甲子園球場に行ったつもりで応援出来るようにとの思いで、6作目の甲子園球場模型を作り、日々、ながめております。

奨励賞

Make a wish for a brighter future~クラフトバンドの新たな可能性~ 宮本妃那子

私は大学の卒業制作としてクラフトバンドを用いて服の制作を行いました。クラフトバンドを使用した理由は、近年の地球環境の悪化が挙げられているので、いかにして私達がそれに対し真摯に向き合えているのか?そう思い環境に負荷の少ない素材を用いて服を制作しようと思いました。クラフトバンドは原料に再生パルプを使用し、水や土の中で分解される素材です。環境にやさしいものが増え、地球環境が改善されてほしいという希望とクラフトバンドの新たな可能性を広めたいと想いで制作しました。

奨励賞

自動車リサイクル部品を使用したゴミ拾いロボット~音と光のハロウィンロボット~ 山形県立村山産業高等学校工業部機械班

私たちは自動車リサイクル部品を使用したゴミ拾いロボットを製作し、やまがた高校生ロボコンに出場しました。やまがた環境展の一環として開催され、必ず自動車リサイクル部品を使用することが条件で、ゴミ(ピンポン玉)を高さの違う3種類のゴミ箱に入れる競技です。資源の再利用によりSDGs達成に貢献できるため、工業部機械班1年生で挑戦しました。製作テーマはエンジョイで、作り手も観客も審査員も全員が楽しめるように10月末の大会に合わせハロウィン仕様のロボットに仕上げました。

奨励賞

作ると遊ぶ 打田光子

家族着用の着物、服利用で、思いつくままに。箱上にミニチュアを付け、同種整理を。「これは、箱に入るんだよね。」と。実が取れたり、皮が剥けたりの面白さの中で。ミカン、バナナを食べる真似をして「美味しいね」と。私が妄想し得なかった遊びをしてくれました。今は亡き母が、この作品を手に同心が如く、喜んでくれた笑顔と、孫が楽しんで喜んで遊んでくれる笑顔こそが、私の宝です。針と、糸と、布とが、私の活き力となっております。

奨励賞

雨上がり 大西開斗

私は風景をモチーフに織物を制作しています。風景には、様々な感情や過去の記憶などが少なからず移入すると考えています。私はそれを糸の色や糸の打ち込み方を工夫して、表現することで織物の可能性と美しさを探求しています。本作品では「雨が見える」をコンセプトに学生時代、よく遊んだ公園の写真を織物にしました。雨の上がった公園の静けさや反射する物の美しさなどを、織物独特の遠目に見たときの大胆さ、そして近目に見たときの繊細さとともに楽しんで頂けると嬉しい限りです!

奨励賞

『知ってもらいたい!伝統を受け継ぎたい!広島神楽の世界』 塩村菜々美

広島神楽は、面や衣装の早変わりのあるかっこいい神楽です。しかしコロナでお祭が中止になり神楽を楽しむ機会が減りました。休校中や神楽ができないときに、少しずつこの作品を作りました。フェルトや折り紙、竹串、チョコレートの紙など、身近にある素材は何でも使いました。鬼のかつらはビニール紐を割いて作り、面は紙粘土で作りました。神(武士)が着ている衣装は、実際に早変わりができるようになっています。いつかまた神楽を皆で楽しめる日が来るといいなと、ワクワクしながら作りました。

奨励賞

≪FUTURE≫ 冨山千陽子

今の世の中、物に溢れ大切な事を見落としているのではないかと思い、未来に託した作品を創りました。それは、織物工場から出る生地耳の廃棄物を利用し、アップサイクルしたドレスです。上質な布を使っていますが、その制作過程で大量に生地耳が捨てられます。これは残念な事です。今の環境問題の一つに廃棄問題があげられます。埋め立て処分、焼却処分され大量の温室効果ガスを排出し地球温暖化の原因になるからです。ゴミを減らし、資源循環型社会を形成する為に自分が思う時代をみんなの手で作り合い、喜び合い、心赴くままにこれからのサステナビリティを可能性の有る新しい未来に考えるきっかけになって欲しいと思います。困難な日々が続く今、生きて行く中で何が重要であるのか自分に問いかけ、私達が創り続ける世界の価値観を大きく変えるきっかけになればと考えます。

奨励賞

9年間のペットボトルロケット制作記録 渡邉皓介

幼い頃から空を飛ぶものに憧れ、9年前からペットボトルロケットを製作しています。徐々に大型化し飛行距離を伸ばしてきました。このロケットは自作の制御装置を搭載し、パラシュートを自動放出することで本体を傷つけることなく落下できます。また、ロケットの姿勢や速度などの情報を地上のPCに送信し、現在位置をリアルタイムで確認することができます。パラシュートが放出されないなどたくさん失敗しました。失敗から学び、改善する過程は苦しいですが、その分思い通りの打ち上げができた時は感動しました。これからもさらに大型化を目指して改良していきます。

奨励賞

館Lab 釘宮まどか

学校でもなく、習いごとでもなく、自分たちの住む『館』にある設備・人を集結させることでお金をかけずに提供する、みんなのための『もう1つの場所』。ものづくりをしたい、何を作りたいか決まってないけど何かしたい、自分の得意分野をほかの人に教えたい・・・学校や習いごとのようにすべきことが決まっていないゼロの環境だからこそ、子どもたちのリーダーシップや主体性が育まれると考えます。自宅の一室から始まった3Dプリンター教室をきっかけにスタートしたプロジェクトです。

奨励賞

かるすて 松川遥

かるすてとは?使い捨てマスクを安全に捨てるためのマスクケースです。手軽に作れて安心して捨てられることから『かるすて』と名付けました。 近年ますますマスクの重要性が高まっています。同時に、使い終わった後のマスクをそのまま捨てたりポイ捨てする人が増えていることを知りました。そこで、マスクをつけるだけでなく捨てるエチケットを作ることで感染予防拡大の防止につながるのではないかと考えました。この時代に生きている私たちの未来やこれから生まれてくる命を守っていこうという思いを込めてホビー感覚で気軽にものづくりができるキットを制作しました。