ホビー大賞

第26回ホビー大賞

――――――<講評>――――――――――――――――――――――――――

今、この講評をご覧になっているあなたはお幾つでしょうか。毎年講評で人の寿命の話を始めに紹介しています。それは人生が年々長くなっているからです。平均寿命と平均余命とがあります。今80歳のご婦人は平均寿命が86歳だからといって、あと、6年と思ったら大間違いです。80歳の方の平均余命は約12年あります。医学の世界ではIPS細胞を始め飛躍的に進歩していますから、今から6年先の86歳になった時の平均余命はまた10年あることに成るでしょう。100歳を視野に入れなければ成りません。すでに100歳を超えた人は昨年6万1500人、当然今年はもっと多くなります。

さあ、このことを知ったら長い人生楽しみを持たなければとてもとても過ごせるものではありません。それには出来るだけ早く趣味を持つことです。今年の文部科学大臣賞は弱冠14歳のお嬢さん、そのお嬢さんが今時珍しく手縫いでポケットのある浴衣を作りました。拍手ですね、一生続けられる趣味が出来ました。ホビー大賞グランプリは帽子形のランプシェードです。本体が残っているのにランプシェードだけが破れ、それを今度は帽子に仕立てたセンス、なかなかです。今回最年長の受賞者は79歳のご夫人が主宰する「さくら着物工房」です。車椅子の人も着物を着ることが出来るようにとの想い、貴重です。 鹿児島を「あみぐるみ」で紹介の作品、人前で音読するのをためらう子供のために音読を始めると聞いてくれ反応してくれる「KINJIRO」、いずれも次に続く世代への思いを感じます。

全ての紹介が出来ないのが残念ですが、ご来場頂いたら先ずは展示されている作品をぜひ見てくださいね。人生は長くなってゆくのですから。

選考委員長 白石 嘉宏(NPO法人ソフトインダストリー研究会 理事長)

文部科学大臣賞

ファスナー付きポケットのある浴衣 大矢萌香

ゆかたの着付けを体験したことがきっかけとなり、自分の一着がほしいと思った私は、手縫いのゆかたづくりに初めて挑戦しました。
長い縫い目を縫い上げるには根気がいりましたが、慣れてくると針を持つのが楽しくなり、地の色に合わせて糸の色を変えたり、「あったらいいな」と思っていたポケットをつけたりするなど、工夫もできました。ポケットはファスナーを使って脇縫いに沿ってつけたので、ゆかたのシルエットを崩さず、お祭りに夢中になっても中に入れた鍵やお金を落とす心配がありません。

グランプリ

帽子型ランプシェード(オディールのランプシェード) フランス刺繍LesFils 源五郎丸耀子

長く愛用していたランプシェードが破れてしまい、ショック!
本体はまだまだ使えるのに捨てるなんて勿体ない!と、手元にあったハギレにブラックワークで刺繍、スパンコールやビーズも刺して、大好きなオディールをイメージ、遊び心で帽子型にリメイク。クラシックなランプシェードに生れ変りました。
出来上がりを想像しながら、チクチク刺繍している時の楽しさ、そして綺麗に仕上がった時の達成感は、私にとって他では得られない喜びです。ハンドメイドには、心豊かになれる楽しさと幸せが溢れている!と、改めて実感した作品となりました。

準グランプリ

出陣(しゅつじん) 髙際牧子

戦に立ち向かう「もののふ達」の姿をしなやかで奥深い和紙の力を使って表現しました。
馬たちは33cm×33cmの一枚の金紙で頭と尾、4本の足を鋏を使わず折り上げ、武者を乗せるため足にワイヤー、ボディに紙を詰めて立体として動きのある馬にしました。武者たちは姿、想いを想像して頂くため敢えて黒の和紙を使い表現しました。ボディは針金に綿を巻きつけその上を紙で包んでいますので弓を引いたり馬から降りて立ち向かったりと自由な動きが出来ます。

地域貢献賞

虹色の未来(植樹アカマツの願い) 河村小百合

昔は赤松に巣を造り暮らしていたコウノトリ。昨年はコウノトリ放鳥から10周年でした。
コウノトリと共生する環境保全の大切さをコウノトリキルト作品で表現して私も10年目。
2013年には戸島湿地に児童が「赤松」を植樹し、児童代表が「10年20年後に松に巣を作り空を羽ばたいてほしい」と発表しました。私も同じ想いです。巣を造りひなが誕生。親鳥が優しい眼差しでいる場面を表現しました。

地域貢献賞

かごしまあみぐるみ 村田寛之

生まれ育った場所、「鹿児島」のあみぐるみです。
普段、動物のあみぐるみを主に編んでいるので、鹿児島の動物を中心に編みました。
また、ロケットの発射基地が2か所あるので、ロケットも編みました。鹿児島は離島が多く、南北に長いので、鹿児島の全てを表現するのは難しかったです。作品を見てくたさった方が、少しでも鹿児島に興味を持っていただけたら、嬉しいです。

ハートウォーミング賞

『KIMONO』de「パラリンピック」「おもてなし」 さくら着物工房 鈴木富佐江

「不自由は発明の母である」
私は脳梗塞を患い右手に後遺症が出た。着物の帯が結べず一人で装着する方法を研究し、ハンドメイドで「帯を切らずに造って着付けに2分」を実現。「半巾帯」など糸と針で要所を留めるだけ。「襦袢」「ファスナーきもの」等々で4件の特許を取得。男女とも子供から高齢者は無論、立つ事が出来ない車椅子の方達でも着崩れず簡単で美しく着物が着られる。世界に誇れる民族衣装「KIMONO」でおもてなしの真骨頂を発揮し、平和が続く原動力になりたい。

ハートウォーミング賞

コピーししゅうバッグ シミキョウ

子供が書いた絵をバックに刺繍しました。
こどもが書いた絵をプリントアウトして、バックの上に置き、紙の上から刺繍するとこどもの絵の雰囲気をそのまま再現できました!

奨励賞

駆除害虫を活用した昆虫レジンアート 愛知県立猿投農林高等学校 林産工芸科 特用林産研修班

豊かな環境および生態系に欠かせない昆虫も、害虫として扱われとことも少なくありません。
人間が、産業発展しつつも、自然環境と調和して生きていくためには、昆虫への理解と駆除のバランスを積極的に保たなくてはいけません。そこで、研究を深める中で駆除した害虫を活用し、一般の方々に興味をもって見て頂け、環境啓発に繋げられる昆虫レジンアート作品を制作しました。

奨励賞

山口県の名産品クッション 山口県立宇部中央高等学校 ソーイング部

山口県の知ってもらいたい名産品などを羊毛で作りました。羊毛で作ることで、立体的になり、そのものの形を表すことができました。思うようにならないところも多々ありましたが、できるだけ多くの色を使い、より本物に近いものになるように工夫しました。
山口県には、作ったもの以外にも良いところがたくさんあるので、この作品を見て、山口県について知ってもらえたらいいなと思います。

アイデア賞

子供の音読を聞いてくれる、不思議な生き物「KINJIRO」 中䑓 久和巨

音読は子供のときにたくさんした方が良いとされています。
加えて、音読をするときは、聞き手を意識して読むことが重要とされています。
しかし、子供にとって人前で読むことは、はずかしさや、間違いを指摘される怖さなどもあり、楽しいものではありません。欧米では、犬に読み聞かせることで、音読の楽しさを子供たちに教える活動がされています。「KINJIRO」もそんな子供達の音読の練習をちょっとだけ助けるような存在になれればいいなと思い制作いたしました。

アイデア賞

我花園 HIROSHI JIMI

毎日大量に出るペットボトルをアートに使えないかと考え、ボトル入り花のくす玉を完成させました。ペットボトルには一切切り込み等入れず、ボトルの口より大きな折り紙のくす玉を入れています。
1つ1つもカラフルで不思議アートになっていますが、そのボトルを50個並べてより華やかで壮大な手作りの世界を作りたいと思いました。中に入っているくす玉は同じ色の組合せが1つもありません。是非直接ご覧になっていただきたいです。

ユニーク賞

藍染め大蛇と紬ハブ ぽぽぽ本舗

奄美大島の生物×あみぐるみ「あまみぐるみ」をかねてより制作。今回は山の守り神でもあるハブを題材にした。
藍染め大蛇は島の染物屋で作者自らが染めた藍染めの糸を使用。2mを超える大蛇を表現した。奄美と言えば大島紬だが、古くからある龍郷柄と呼ばれるものはハブの模様をア レンジしたものと言われる。紬ハブではその龍郷柄を編み地に配し、伝統的な柄をハブに逆輸入することを試みた。

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