ホビー大賞

第25回ホビー大賞

ホビー大賞は、人々や社会に感動や豊かさ、癒しや温もりなどを感じさせる創作活動や作品に贈られる賞です。第25回を迎えた今年は164作品のご応募を頂き、うち14作品が受賞作品に選ばれました。

――――――<講評>――――――――――――――――――――――――――

私たちの国はいよいよ世界一の「時間持ち」の国になります。90歳もすぐそばです。

今は未だ平均寿命は女性が86歳と半年、男性もほぼ80歳になりました。ところが人様に迷惑をかけない健康寿命はというと女性は73歳半、男性は70歳半、女性はなんと13年間も介護を受ける生活が続くことになります。生涯を通して健康で居ること、家族・多くの友人知人に囲まれ充実した日々を送るには自ら進んで好きなことに没頭するのが一番です。それには子供の時から好きなことを見つけ、生涯かけて磨き上げてゆくことです。

今回、文部科学大臣賞は葛飾区立双葉中学校3学年衣装部の皆さんが舞台のために短期間で作り上げた衣装です。グランプリは見るからに可愛い女の子が台所に立つ姿です。下の子供ができたので遊んであげられない、それでお母さんのそばでお台所ごっこをして過ごす。というなんともほのぼのとした様子が皆の心を捉えました。80歳で今でも毎年チャリティーニット展を開いている門脇貴美子さんは奨励賞です。生涯現役。

先般の大震災の記憶が薄れてゆく中、変わらず支援活動を続けていただいている岡村編物教室さんは準グランプリとなりました。貧しい国のバングラデシュの女性たちに15年もの時間をかけて商品として紹介できるところまで努力を続けたサクラモヒラSakura Mohilaさんには国際貢献賞。

ホビーはまず、自分が好きで楽しむことが原点です。

そのような日々を過ごす中で周囲に広がり、そのことが多くの人の喜び、幸せにつながることを皆で目指しましょう。

今年は、受賞者がとても多く、他のかたがたの紹介ができないことをお詫びします。

次回も多くの皆様のご応募をお待ちしています。ありがとうございました。

選考委員長 白石 嘉宏(NPO法人ソフトインダストリー研究会 理事長)

文部科学大臣賞

学年劇「MAMMA MIA!」衣装制作 葛飾区立双葉中学校3学年衣装部

役者の皆が気持ちよく役になりきるために大事な衣装。2週間で作りあげるのは大変でしたが、一丸となり一つの目標に向かう楽しさ、作品が舞台上で動いている感動。忘れられない経験となりました。

グランプリ

娘の城 中村 伊都

当時2歳の娘へ、キッチン本体を段ボールで作りプレゼントしました。
買った材料はガムテープと鍋敷、お皿のみ。
他は家にあった段ボールなどを使用。
下の子が生まれ、長時間外遊びに連れ出せなかったので大喜びでした。

準グランプリ

楽しく学ぼう!!あいうえお・ABC・123 岡村編物教室

大地震をきっかけに、何かできないかと始めた復興支援活動。子どもたちが手づくりで笑顔を届けようと、毎年クリスマスプレゼントを贈ってきました。
今回は京都市動物園の羊毛をつかって楽しく遊んで学べる知育玩具を作りました。

日本ホビー協会 特別賞

マンガンカーレースによる小学生ものづくり教室 マンガンカープロジェクト

学生指導のもとで近隣の小学生がマンガンカーを作成し、学生の作ったサーキットにてレースを行います。また、マシンのデザインも競います。
学生主導で毎年開催し、13回目を迎えました。
子供達がものづくりに興味を持つ機会となっています。

地域貢献賞

山口県の名産・名所の紹介絵本 山口県立宇部中央高等学校ソーイング部

山口県の名産や名所を沢山の人に知ってもらう為に、フェルトの絵本を作りました。果汁の質感を表す為にビーズを使ったり、建物の立体感を出すために角度をつけたりしました。
少しでも山口県に興味をもって頂けると嬉しいです。

地域貢献賞

郷土の誇り小田原提灯会 小田原ちょうちん製作ボランティアの会

提灯の作り方を市内の小学生に教えたり、地域文化の伝承と郷土愛を育む活動をしています。
市民や観光客にも指導し、年間約4千個を制作。
23年間継続しています。
また新人教育による後進の育成にも力を入れています。

ハートウォーミング賞

ばぁのくま 手仕事ぬいぐるみTANE

手足の可動域が広く、座るとまっすぐ前を向き、抱き上げると顔が上を向き、目線が合います。
世界中で和歌山県にしか残っていない吊り編み機で編まれた和田メリヤス製の生地で、和歌山のおばあちゃんが創ったぬいぐるみです。

ハートウォーミング賞

もえぎ ぶらぶLOVE ミノムシちゃん 特定非営利活動法人発達支援もえぎ放課後等デイサービス麻生もえぎ

楽しみながら運動機能や感覚機能、集中力等の訓練に工作はかかせません。この作品は色々なものを身に付け春を待つ子どもたちをイメージして、長い時間をかけて作りました。
作る喜びや達成感、個性豊かな作品になりました。

奨励賞

じゃけん!男子手芸部 じゃけん!男子手芸部

毎月参加者を集めて、レザークラフト、純銀粘土、陶芸などのテーマで活動。今後はSNSを活用して知名度を上げていきます。
広島から新しい手芸文化を全国に発信していきます。さらなる発展に期待大です!

奨励賞

世界に1枚 貴方を魅了する作品づくり ニットファッションSUMIRE

編物界で53年、健康で仕事ができる限り社会との絆を大切にと、年一度チャリティーニット展を開催しています。
2年前からはウールセーターに絵を描くことにも挑戦。
皆さんにニットを身近に感じて頂ければと思っています。

国際貢献賞

カディコットンと村の女性たち サクラモヒラSakura Mohila

20年前のバングラデシュは世界の最貧国でした。
手探りで始めた村の女性たちの仕事作りは15年を経て、やっと伝統の手紡ぎ、手織りの綿を日本向け製品として紹介できるようになりました。

アイデア賞

虫ロボット&ヒツジコプター 科学おもちゃ作り教室

スマホに使われている振動モーターやコンデンサーなどで科学おもちゃを作る教室です。
年3回程開き、小中学生中心ですが、お年寄りや学校の先生等の参加もあります。
スマホの中身にも目を向け、科学的な興味を深めてもらいたいです。

ユニーク賞

巾着にもなる目出し帽 アイパー滝沢

任侠スタイルの吉本芸人、アイパー滝沢によるオリジナリティ溢れる編物作品です。
2年前に独学で始めた編物と極道ネタでトークショーや展示会を行ったり、ワークショップを開催したりと、編物の普及活動にも力を入れています。

日本ホビー協会賞

リボンで創ったバラの花のリース 長谷良子リボンアートフラワー協会

色々な素材のリボンをボンドで貼合せて創ります。
2枚貼りや3枚貼りで色彩の変化を工夫し、独創的な色調を創り出せる事が特長で、何百色もの色合わせと素材の組み合せにより奥行きのある花の世界を追及する事ができます。