受賞ギャラリー

2024年 受賞

企業・団体部門

経済産業大臣賞

ポケおり株式会社KAWAGUCHI

「ポケおり」は、名刺サイズのカード式ミニ織り機で、手軽に持ち運んで織りを楽しめる商品。様々な糸や色、織り方で個性的なデザインが作れ、アクセサリーやインテリア小物として活用できる。専用サイトでは織り方やレシピを提供し、ユーザーとの交流を図っている。製品は環境に配慮し、ホタテの殻などを使用し、廃棄物を減らすことも考慮している。

経済産業省講評

ポケットに入れて持ち運ぶことができる名刺サイズのカード式ミニ織り機で、子供から大人まで「いつでも、どこでも」遊び感覚で織りを楽しむことができることや価格もリーズナブルなことから、ハンドメイドホビーの入門用として多くの消費者が気軽に利用でき、ハンドメイドホビーの裾野の拡大が期待できます。
また、織り機本体とくしは、従来廃棄されているホタテの貝殻を51%使用し、プラスチック使用量を削減するなど、SDGsに対する取組みとしても評価できます。

東京都知事賞

Cement Project慶應義塾大学・富士スレート

Cement Projectは、環境負荷の低いコンクリート素材の開発を中心に据えたマテリアルデザインのプロジェクト。従来のコンクリートには問題があり、GHG排出を削減するため新素材の開発が求められています。プロジェクトは、塗装レスの薄い板や素材感を表現した外観など、新たなデザインの可能性を追求している。最近では、植木鉢の制作が試みられ、アップサイクルした建築資材への応用も検討されている。

東京都講評

ジーンズくずを取り入れた環境負荷の少ない新たなコンクリート素材の開発に取り組むプロジェクトであり、新素材の開発やデザインの可能性を追求している点が評価されました。
また、大学と中小企業との連携で新たな試みにチャレンジする点に、事業としての発展性が感じられた点も評価されました。

経済産業省製造産業局長賞

クロバーDIYシリーズ
くぎ打ちガイド<細釘・小鋲用>クロバー株式会社

クロバーDIYシリーズは、手芸・ハンドメイド用品のメーカーであるクロバーが、DIY初心者や初級者向けに開発したシリーズであり、失敗を防ぎながら楽しめるツールを提供。その中で、2023年9月下旬に発売された「くぎ打ちガイド<細釘・小鋲用>」は、細かく小さいくぎを安全かつ正確に打つためのツールであり、太さ0.8mmの細釘から太さ1.7mmのくぎまで対応する。

経済産業省講評

木工クラフトにおいて、くぎ打ちに慣れてなく上手く打てない人やDIY初心者の子供や女性でも細くて小さなくぎを安全に正確に打てるようにするためのツールで、多くの人が木工クラフトを気軽に、簡単に楽しめるように工夫されていると思います。
世界に誇る日本のものづくりの技術を将来に繋げる観点からも、子供たちにものづくりの魅力や楽しさを知ってもらうきっかけになる教育ツールなどとしても活用されることを期待します。
DIY初心者向けに開発されたツールであり、正確かつ安全に細かい釘を打つことができる点が評価されました。

東京都産業労働局長賞

着物キャンバスIkasu

ikasuは、「着物に第二の人生を」というモットーで、使われなくなった着物をアップサイクルし、アート作品として新たな価値を創造した。このサービスには、着物キャンバスに変身させるサービスや余った生地を使った商品の販売がある。チームはデザイナー、着物専門家、家具の職人などで構成されている。将来的には、着物アップサイクルを一般的な遺品整理や断捨離の方法として普及させ、日本の伝統文化を世界に発信することを目指す。展示販売会や個展を通じて活動しており、SDGs12に貢献することを目指している。

東京都講評

日本の伝統文化を象徴する着物をアップサイクルし、インテリアとして新たな価値を創造する活動であり、着物の持続可能な利用方法を提案し、伝統産業に新たな息吹を与えている点が評価されました。

日本ホビー協会賞

Rinne.bar株式会社RINNE

Rinne.bar(リンネバー)は、アップサイクルを楽しめる小さなBARであり、布や革のハギレ、木端やボタンなどを使ったアクセサリーや蝶ネクタイ作りを提供している。手作りの喜びや自信を感じられる場を提供し、クリエイティブな空間で個性や想像力に向き合える。取り組みに共感が広がり、全国から200件以上の素材が寄付されており、SDGsの目標12に貢献している。今後も自ら創造する楽しさを広め、使われなくなった素材を新たな価値のある作品に変える循環環境を築いていくことを目指していく。

日本ホビー協会講評

アップサイクルを楽しめる小さなBARであり、手作りの喜びや環境への配慮が反映された取り組みである点が評価されました。

個人・グループ部門

文部科学大臣賞

さりげなく気持ちを伝える
紙刺繍ポチ袋大石亜子

SNSやアプリの発展により、オンラインでの活動が主流となっている中、なぜ手作りのポチ袋が注目されるのか関心を持った作者は3年前に本格的に刺繍を始め、最初は布で作品を作っていたが、裁縫が苦手で満足できなかった。そこで、紙刺繍を知り、実用的なポチ袋づくりを始めた。ポチ袋はお年玉以外にも様々な用途があり、自分らしさを表現できる魅力がある。また、和のイメージにとらわれず自由な発想でデザインすることで汎用性が高まる。作者は手作りの楽しさやコミュニケーションの力を伝えたいと考えている。

文部科学省講評

一針ひと針思いを込める刺繍の良さと簡単な工作との組み合わせによる、実用的な紙刺繍のポチ袋制作であり、手作りの楽しさやそこから広がるコミュニケーションの力を伝えている点や、子どもも大人も気軽に刺繍を始めるきっかけとなる点が、評価されました。

東京都知事賞

Full of flowers 3斉藤四季

イベントや催事などで使用された花々を廃棄する代わりに、「紙」に利用する。花の全体を利用して『アップサイクルフラワーアート』として新しい命と価値を与えた。葉や茎から作った紙を台紙とし、花はドライやアンティーク、押し花にしてアート作品として展示する。また、年間約12億本ものロスフラワーが廃棄される中、この作品はCO2排出の削減に貢献し、持続可能な未来への第一歩としてのアイデアとして位置づけたい。役目を終えた花々とロスフラワーをアップサイクルすることで、花の命を継続させ、廃棄問題に目を向けることを目指す。

東京都講評

冠婚葬祭等で発生するロスフラワー、そしてその葉や茎までも利用したアップサイクルフラワーアートであり、花の廃棄によるCO2排出の削減や、この取組を通じてあらゆる廃棄問題への新たな視点での前向きな提案が評価されました。

日本ホビー協会賞

里山をたゆたう創作自転車♪志賀淳

このセミリカンベント自転車は、子供が成長して使わなくなったキックバイクを再利用し、手作りされたオリジナルデザインの自転車。リサイクル可能な素材を使用し、自宅で手軽に製作できることが特徴。完成した木製フレームは乗り心地が良く、また、ハンドメイドの楽しみや環境への配慮を反映させた。

日本ホビー協会講評

子供が使わなくなったキックボードを再利用した木製フレームの自転車であり、環境への配慮が反映された作品である点が評価されました。

選考委員会特別賞

koginbank.com石井勝恵

koginbankは、こぎん刺しや菱刺しが興味のある人や楽しみたい人に、こぎん刺しに関する情報を提供するウェブマガジン。全国のこぎん刺し教室や図案のダウンロード、作家の紹介、イベント情報などを発信し、こぎん刺しの楽しさや魅力を広めている。起源は厳しい生活環境にあったが、民藝運動によって再評価され、趣味の手芸としても楽しまれている。koginbank.comでは、こぎん刺しの可能性を追求し、日本の伝統文化を楽しむ情報を提供している。

選考委員会講評

こぎん刺しに関する情報を提供するウェブマガジンであり、伝統文化の継承への貢献が評価されました。

高校生の部 最優秀賞

現代の着物の形三浦希英

若い世代にも親しみやすい着物を作りたいとの思いから、日常的な着物文化の薄れに対応し、自らデザインした着物を制作した。この着物は上下で別々に着用でき、洋服のような感覚で着ることができる。着付けの手順も最小限に抑え、海外や障害者も着ることができるようにし、着物の普及と定着を目指している。

選考委員会講評

若い世代にも親しみやすい着物を作りたいとの思いから、日常的な着物文化の薄れに対応し、自らデザインした着物を制作。その着眼点が評価されました。

中学生の部 最優秀賞

花時計堀江花奈

この作品は卵の殻を利用して作られた「花時計」であり、卵の丸みや色を生かして着色した。賞味期限が切れたパン粉とボンドを混ぜて作られたエコ素材が支えとなっている。食品の柔らかさが心を和ませるこの花時計は、優しいタイルに似ているが、卵ならではの表現を楽しむことができる。

選考委員会講評

卵の殻を利用したエコ素材の花時計であり、環境への配慮と創造性が評価されました。

小学生の部 最優秀賞

Remake Whale
~海の王者からのメッセージ~金子七海

この作品は、海洋プラスチック問題に関心を持ち、自由研究でレポートを書いた経験から着想を得たものである。作者はマッコウクジラを選び、温かみのあるイメージで表現しつつ、そのお腹にプラスチックゴミを示す網を取り入れた。また、クジラの体には古着を再利用し、無駄のない工夫を凝らして生き生きとした様子を表現した。これにより、海洋プラスチック問題や地球の危機に対する思いを伝えたい。

選考委員会講評

海洋プラスチック問題への対応としてマッコウクジラを表現した作品であり、環境への問題意識と創造性が評価されました。

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主催:一般社団法人日本ホビー協会
後援: 経済産業省/文部科学省/東京都